Japan Job School の宮田です。
このところテレビをつければ、連日、外国人労働者についての報道が必ずどこかの局で取り上げられています。そのためか外国人の雇用についてたいへん詳しくなっている方が増えたのを感じます。
とくに人手不足と真剣に向きあっている首都圏から離れた中小企業の方ほど詳しくなっているのを感じます。中でも気にしていらっしゃるのが一連の報道でクローズアップされた外国人実習生たちの失踪。これにはとても敏感なようでどうしても一歩踏み込んで決断ができないという声も少なくなくなってきました。
外国人雇用報道で見えること
ネットニュースでもそうなのですが、テレビの威力というのはやはりすさまじく、いままで人手不足を補うために外国人のスタッフを入れてみようかと前向きに考えていた企業様が、テレビの報道で気になりはじめ、ネットニュースでより詳しくという流れになっているのを感じます。
ネットニュースになると検索ワードで関連する記事だけをチョイスできますから、次々と表示される関連ニュースの数々に、より一層神経質になるのかもしれません。
では実習生は当初の目的からはずれて逃走するのか。あるサイトでは以下のように分析しています。
- ① 実習生の受け入れ先の業務が低賃金、重労働。
- ②農業、建築など体を使う仕事が多い
- ③受入企業の職員の意識が低い。いじめ等の行為がある。
しかし同サイトでは、良心的な企業もあり、最賃+αを支払い、待遇も充実している。そのほか、実習生が将来獲得できる特権、勤務時の賃金も悪くないとも記述しています。
それでも失踪するのは1にお金、2にみんなでやれば怖くないという意識が根底にあるためと分析しています。
賃金についてはかつて低賃金で中国人を雇用しているという企業はありましたが、今や中国も経済大国。日本に来てまで働く人たちも優秀になり、そうではなくても逃走のリスクもわかっています。
しかし時代も外国人労働者の国籍も変わりながら、なお低賃金、過酷な労働という環境を強要する日本の企業側は変わっていないということなのでしょうか。
ちなみに同サイトでは逃走の手引きをする組織的な存在にも言及されていましたが、これは企業側とは別な話なのでここでは無視することにします。少なくとも真剣に日本で働きたいと思う人たちもいるのです。当校に学費を払って通学する生徒たちもその一群といえるでしょう。
報道で知る限り国会論戦でも外国人労働者=低賃金というところがクロースアップされています。しかし、そればかりではないように思います
ある企業の取り組みに見る未来図
4か月ほど経ちますが某局の番組で外国人社員を積極的に雇用している企業を特集していました。(私が見たのは再放送だったようなので初回はもっと前の放送だったようですが)
その企業はいわゆる町工場のような会社です。人手不足を解消するために外国人労働者を受け入れることを決めたわけですが、国籍もバラバラ、もちろん日本人社員も混じっています。そして誰もが同じ仲間として楽しそうに仕事をしている光景が映し出されていました。
では、何が違うのか?この会社では採用した外国人スタッフに徹底して技術を教え込むという方法を取り入れていました。
企業も変わることで外国人雇用の道も開ける
日本企業に多い“仕事は見て覚えろ”ではなく“覚えるまで徹底して付き合う”という方法を取り入れていたのです。
教育に時間をかけるということは生産性の低下にもつながりますが、早い話、見せても覚えてもらわなければ意味がない。覚えていないのに仕事を任せても人数が増えただけで業績はあがらない。むしろリスクにつながる…という考えから、今月は教育のために業績が落ちても次の月は仕事を覚えた外国人スタッフの活躍で落ちた業績を穴埋めしてその翌月は人数が増えた分、右肩上がりにするという発想の経営に方針を定めたわけです。
当然ながらそこで働く外国人スタッフも何度も何度も失敗して怒られ続けることもなく、自信もついて逃げることなく会社に貢献する働きを見せる。この考えは当たっていたようで、その会社の業績も上昇していることが報じられていました。
言葉にするのは簡単ですが、新人を受け入れた分の生産性低下を見越した経営は実際にはなかなかできないものです…
あれ? まてよ。日本の多くの企業がこの“見て覚えろ”式だとすると、何も外国人に限ったことではないのではないか。人手不足の原因は他にあるのではないか…外国人受け入れを含めて、ほんの少しの工夫と考え方の変更で何かが変わるのかもしれない。みなさんの会社はいかがでしょう?
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